ブロントサウルスが、現在アパトサウルスと呼ばれているのはどうして?
恐竜を含めて動物の名前は、「国際動物命名規約」に従ってつけられます。これは、名前をつける時に起こりうる様々な場合を想定して、どのように対処すればよいかということが細かく決められており、一冊の本になっています。
例えば、どこかで新たに恐竜の化石が見つかったとします。この化石はどの恐竜のものだろうかということを調べるわけですが、すでに名前がついている恐竜のものだと気付かずに、ちがう名前をつけてしまった場合、どうなるでしょう?見つかる化石すべてに、みんなが好き勝手に名前をつけられることになってしまえば、混乱してしまいます。「規約」はそのようなことが起こらないように、「シノニム(同物異名)」という項を設けています。「シノニム」というのは、同じ種類の動物につけられた異なる名前のことを言います。「国際動物命名規約」では、ちがう名前をつけられたものが、実は同じ動物だったということがあとでわかった場合、先につけられた名前に優先権(先取権)があるということを宣言しています。長年ブロントサウルスとして親しまれてきた恐竜がアパトサウルスと呼ばれるようになったのは、このシノニムが原因なのです。
1877年、アメリカでマーシュが、アパトサウルス・アジャックスという種を記載しました。その2年後の1879年にやはりマーシュが、ブロントサウルス属を設立し、しばらくは2つの属が存在していました。しかし、1903年になって、それらは同じ動物だということがわかりました。名前のつけられた順番はアパトサウルスの方が先なので、学問の世界ではブロントサウルスの名前は使われなくなりました。しかし、そのことを指摘した論文は一般には伝わらず、いろいろな本や映画などにブロントサウルスの名前が登場し、逆にその名前が世間に広まってしまったのです。ちなみに、「ブロント」は「雷」を意味します。
