三葉虫の足の化石がなかなか発見されないのはなぜ?
【三葉虫の専門家である鈴木雄太郎先生(静岡大学理学部地球科学科)に回答をいただきました。】
三葉虫はエビやカニと同じく節足動物の仲間です。貝などとは違い、節足動物は体の各部分が殻でおおわれており、鎧を着ているようなものです。鎧を着ているということは、動けるように鎧のあわせ部分を複雑な形にする必要があります。そこで節足動物のほとんどは、ある程度硬くて形を整えやすい特徴をもった生体鉱物を利用することで、鎧のような外骨格を作り上げている、と考えてください。具体的には生体高分子(タンパク質の仲間)や非晶質の生体鉱物を用いています。しかしながら、若干の例外もあり、結晶質の炭酸カルシウムを用いる節足動物もいます。非晶質は著しく不安定ですぐにぼろぼろになってしまいますが、結晶質は時間経過にも耐えられます。節足動物における結晶質炭酸カルシウムの例では、三葉虫のよく化石になる殻の部分、その他には介形虫の甲羅、フジツボの殻などが知られています。しかしながらこれらの分類群でも肢などの部分は、生体高分子や非晶質の炭酸カルシウムなので、化石として非常に保存されにくいということになってしまいます。
逆に三葉虫の肢が残りにくいのではなく、三葉虫が背側に背負っている殻が節足動物としては異質なほど化石として残りやすい特徴をもっている、と言えます。
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(2006/09/07更新)
