■タイの発掘現場をビデオでご紹介

11月下旬に共同発掘調査現場を訪問いたしましたので、ビデオにてご紹介したいと思います。

この発掘現場は、共同調査の相手方である珪化木鉱物資源博物館から数km離れた場所にあります。トウモロコシやキャッサバ畑の間を歩いていきますと、耳慣れた重機の音が聞こえだし、発掘現場へたどり着くことができます。

現場は畑の一角で、面積的にもそれほど広くはありません。しかしその畑の下を数十cm掘ると、ご覧のような硬い岩からなる「島」があらわれます。この「島」はどのような作用でできるのかはまだ不明ですが、この「島」の岩の中に恐竜化石が含まれているわけです。

作業の手順は、福井で行っていることを踏襲しているようです。まず重機などで岩(ここでは「島」ですが)を大割りし、次にハンマー隊まで運んで小割りしていきます。化石が発見されれば、記録・梱包をして博物館に持ち帰ってクリーニングです。しかしこの地の岩は非常に堅くしまっています。福井の岩も硬いと思っていましたが、それ以上です。化石を発見した時は、無理をして岩を小さくせずに、岩石カッターを使ってブロックを小さくしています。岩石が硬いということは保存も良いということで、発見の頻度こそ低いですが、かなり良質の化石が続々と発見されています。今年度分も恐竜博物館でクリーニングされ、また一部が展示されるものと思います。今から楽しみですね。

(千秋利弘)