恐竜(?)化石発見!!

発掘現場の状況
発掘現場の状況

8月に入り、やっと福井県も梅雨の季節が終わりました。太陽が顔を出し、一日中強い日差しを受けています。熱中症にならないために、水分補給をしっかりとっています。

発掘現場には調査補助員の学生たちが集まってきており、「前線」と「ハンマー隊」に分かれて作業をしています。前線では、重機が崖を掘り出しています。その取り外した岩体に化石がついていないかを確認することがメインです。前線ではハンマーやタガネなどはあまり活躍していないのです。岩の表面に化石が見つかると採集をし、記録します。化石が見つからなければ、岩をハンマー隊に託します。大きな恐竜の化石などは前線から発見されることが多いです。ハンマー隊は文字通り、前線から下ろしてきた岩石をハンマーで握りこぶし程度まで割っていくことがメインです。現在はドロマエオサウルス類が産出した層準よりも上部の層を削っています。この層準は黒灰色泥岩と緑灰色砂岩があり、そこから小型の化石、脊椎動物の骨片、カメやワニの歯、二枚貝や巻貝が見つかっています。

前線の写真
前線の写真
ハンマー隊の写真
ハンマー隊の写真

新たな恐竜(?)化石が出てきました。この化石は先日、宮田主任研究員のレポートに出ていた骨化石の近くから発見されました。発見できた層準はシルトを含む緑灰色細粒砂岩で、貝化石を多く含んでいます。この岩石はそれ自体がもろく、さわるとすぐにボロボロと崩れてしまいます。そのため気をつけないと、化石の方も壊れてしまいます。この壊れた骨化石は後に全てくっつけて、どこの部分の骨であるかを検討します。もっとも、こういった部分的な骨だけでは何の恐竜であるかを特定することは難しく、追加の標本が必要です。今後の発掘で、これらの骨化石に続く恐竜化石を発見できることを期待しています。

恐竜?化石
恐竜?化石
骨化石の断面
骨化石の断面

(村上達郎)

© 2013 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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