待望のボーンベッド到達か?

本日の発掘現場最前線
本日の発掘現場最前線

こんにちは。千秋です。

なかなか現場へ行くタイミングがつかめず、1週間ぶりの発掘現場訪問となってしまいました。ようやく来られた現場ですが、先週までとは違って前線そばに大きな山が積まれていますね。発掘が相当進んだということなのでしょうか。

前線までやって来ますと、調査員たちが数名相談をしていました。前回までの足跡調査は終了となり、その下へ掘り進めているとのこと。大ざっぱには、足跡層の下には「ケロ層」が。その下に薄緑色と白色の互層が分厚くあり。さらに下へ行くとそろそろボーンベッドに到達するはずです。ボーンベッド(骨化石包含層)。第一次や二次調査で多くの恐竜化石がこの層から発見されました。フクイサウルス、フクイラプトルが発見されています。この層に到達して調査が出来れば、ひと安心という待望の層です。

ただ、現場は調査区域を単に広げていっているわけではないので、第一次や二次のボーンベッドと直接比較したりたどったりするのが困難なのです。もし到達していたら、化石を壊さないように重機による掘削ももちろん慎重にせねばなりません。発掘終了が来週に迫ってきた現在、どこまで掘削を進めるのか、現場責任者は思案のしどころです。

右下の写真は掘削によって出た石。一次や二次でボーンベッドと言っていた石にかなり似ていると思うのですが、いかに。

前線でのボーンベッド判定会議?
前線でのボーンベッド判定会議?
泥岩層で発見した植物化石
泥岩層で発見した植物化石

さてハンマー隊のようすです。隊員はざっと20名ぐらいはいるようです。ただ、こちらも先週までと打って変わって、静かな現場です。どうやらめぼしい化石が出ずに、意気消沈なようす。話をきいてみると、先日から入った前線からの岩には、いい化石がほとんど入っていないとのことです。ぜいたくな!と言ってしまうと暴言ですので、層準とか場所によって違うものだと慰めてやります。

唯一、以前の石をチェックしている場所からは「ウロコだ」とか「また見つけた」とか声が上がります。まあ「この層準に化石が少ないと分かるのも調査だ」なんですが、せっかく調査に参加したのだから貢献したいですよね。

ハンマー隊のようす
ハンマー隊のようす
小さな石まで丹念に探す
小さな石まで丹念に探す

では、野外恐竜博物館のようすも少しお知らせしておきましょう。

夏休み中は1日6便ツアーを開催。1便でバス3台出ますので、そうとうたくさんの方に野外恐竜博物館にお越しいただいたことになります。それでも今週は比較的座席にも余裕があったようですが。実際に発掘調査をしているのようすをごらんになって、いかがだったでしょうか?発掘終了後は最前線の露出した掘削面は風化防止のため埋め戻してしまいますので、本当のナマの現場は、来年まで見納めということになってしまいます。

野外恐竜博物館の発掘体験広場
野外恐竜博物館の発掘体験広場
野外恐竜博物館から見える発掘現場
野外恐竜博物館から見える発掘現場

体験広場では今週もウロコ化石がわりと出ているようです。中には下の写真のように、骨化石を発見される方もおられます。もちろん努力したから見つけられるというわけではありませんが、スタッフの注意をよく聞いた上で、ハンマーの一打一打をしっかり観察していれば、チャンスが来た時に幸運をつかまえられるというものです。貝化石であれ、植物化石であれ、割った断面にキラリと光るものが見えた時の感動は良いものですよ。ぜひツアーに参加して、体験してください。

参加者が発見した針のような骨
参加者が発見した針のような骨
2015年度版の化石発掘証明書
2015年度版の化石発掘証明書

(千秋利弘)

© 2015 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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