長崎初の鎧竜化石について

2014年7月7日

長崎初の鎧竜化石について

長崎市内の長崎半島西海岸に分布する三ツ瀬層(みつぜそう:白亜紀後期 約8100万年前)から、長崎県では初産出となる鎧竜(草食恐竜)の化石を報告します。化石は歯の化石1点であり、2013年度の長崎市と福井県立恐竜博物館による共同調査により発見されました。また、新たに獣脚類(肉食恐竜)の歯の化石も2点発見しました。これらは白亜紀後期の長崎市に、多様な脊椎動物相の存在が確認できる重要な古生物資料です。

2013年4月に実施した長崎市と福井県立恐竜博物館による共同研究調査では、三ツ瀬層の新たな脊椎動物化石標本約60点が採集され、現在もその化石のクリーニングと鑑定作業を行っています。全てが恐竜の化石ではありませんが、現在までに上記の3点の恐竜の歯が含まれていることが確認できました(添付図参照)。なお、近年の富山大学らによる地層の年代測定により、今回のものを含む恐竜化石の年代が約8100万年前のものと考えられ、以前の年代(約8400万年前)よりも数百万年若く見積もられています(白亜紀後期の後半;現在、より正確な年代測定も実施中)。

鎧竜の歯は、最大幅9.8mm、歯根を含む高さは9mmです(図左)。国内における鎧竜の化石は北海道夕張市(歯11本を含む頭骨の一部と首の骨:白亜紀後期の初めごろ)、富山県(足跡:白亜紀前期)、兵庫県丹波市(歯1点:白亜紀前期)、熊本県(歯1点:白亜紀後期前半)が知られ、長崎の化石はこれらに次ぐ国内5か所目の発見となり、最も時代の若い鎧竜化石の記録となります。鎧竜はアジアでは約20種が報告され、その多くのものが白亜紀後期の種です。今回のような歯1点のみでは種の特定は困難です。

獣脚類の歯2点は小型種のものと見られます。うち1点(図中央 最大幅7.2㎜、高さ14.3mm)は、その横断面形状や鋸歯の位置から、上顎の前方(前上顎骨)に稙立していた歯であると考えられます(前上顎歯)。もう1点はより小さい歯の化石です(図右 最大幅5.5㎜、高さ6.7mm)。これらは昨年7月に報道された、三ツ瀬層産の大型獣脚類化石の産出地とは異なる場所から発見され、別個体の獣脚類のものです。長崎半島周辺には複数種の獣脚類が生息していたことを示す資料と言えましょう。これらの3点の恐竜の歯の実物化石と複製が、下記の予定で長崎市と福井県立恐竜博物館にて一般に公開されます。

長崎市の三ツ瀬層から新たに発見された恐竜の歯の化石
長崎市の三ツ瀬層から新たに発見された恐竜の歯の化石
左:鎧竜の歯 中央:獣脚類の歯(前上顎歯) 右:小型獣脚類の歯
(画像提供:長崎市教育委員会/福井県立恐竜博物館)
鎧竜の参考図
鎧竜の参考図
北米の白亜紀後期の鎧竜、ユーオプロケファルス(画像提供:山本 匠)

展示公開

長崎市野母崎行政センター
7月8日㈫~7月10日㈭実物化石を展示
長崎市科学館
7月12日㈯~8月2日㈯実物化石を展示
8月3日㈰~9月中旬(予定)複製を展示
9月中旬(予定)より実物を常設展示。
福井県立恐竜博物館
7月8日㈫~7月29日㈫複製を展示
8月4日㈪~9月中旬(予定)実物化石を展示
9月中旬(予定)より複製を常設展示

福井県立恐竜博物館

〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51-11
かつやま恐竜の森内
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