発掘作業はあせらずじっくり

前線での面出し作業のようす
前線での面出し作業のようす

こんにちは。千秋です。

発掘現場には赤トンボが舞っていて、ジリジリと照りつけていた太陽も今日はやさしい感じです。もう秋の気配…ではなく来週はまたガンガンと暑くなるそうです。まあ雨に降られるより断然良いので、作業が滞りなく続けられることを喜びますか。

発掘隊員たちも野外恐竜博物館の見学に慣れてきたようで、バスや参加者の動きで時間経過を見たりしているようです。もう少ししたら参加者に手を振り返すようになるかもですね。

発掘最前線のようす
発掘最前線のようす
発掘隊員たちによる地層面の面出し作業
発掘隊員たちによる地層面の面出し作業

前線で見つかった植物化石
前線で見つかった植物化石
翼竜の足跡化石
翼竜の足跡化石

シダ植物の化石
シダ植物の化石
植物の化石その2
植物の化石その2

さて前線のようすです。先週に引き続き、地層面の面出し作業を行っています。山の斜面なので面積自体は変わりないので、見た目に変化がありませんね。重機のアイアンで岩に打撃を与えてヒビを入れ、端から岩を1つずつ剥がしていきます。もちろん同じ地層面で剥がれてくれる訳ではないのですが、わりあい同じ面を追っていけているようです。これで明瞭な足跡でも出てくると良いのですけど。逆にないということも言えないので、全て剥がしてみるしかない、だから時間がかかっている訳です。

先週もご覧いただいた植物化石。また良い標本が採れていました。それに翼竜の足跡化石の追加標本も。翼竜の足跡化石は最初はトカゲか両生類の足跡かと考えられていました。形はハッキリしているけど、足とは形がかけ離れている、泥の上なので足の引きずり痕?などと。研究が進展して正体が判明した訳ですが、面白いですね。今回、出てきたまんま、マーキングなしの写真を掲載しました。コントラストをつけて分かりやすくしていますが、足跡、わかりますでしょうか?

ハンマー隊のみなさん
ハンマー隊のみなさん
たくさんの巻き貝
たくさんの巻き貝

さてハンマー隊のみなさんも、さらに人数が増えていますね。涼しくて絶好の発掘コンディションなのにみんな辛そうです。今週はほとんどというくらい成果が出ていないそうです。先週は好調だったのに。それでも獣脚類の歯、骨化石、ワニの歯などがいくつか、記録・梱包されて箱に入っていました。今日出ていたのは、巻き貝ビビパルス。写真のようによく保存されたものがたくさん見つかっていました。先週・今週のこの差というのは層準の差か場所の差か、それが観測できるというのもまた今後の研究に役立つことでしょう。

来週はもう9月。いよいよ発掘も最終週です。もうひとがんばり、ケガなど気をつけて。では今回はここまでとさせていただきます。ではでは。

(千秋利弘)

© 2014 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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