こんどの特別展では、世界ではじめて公開される中国の始祖鳥類や、日本ではじめて公開されるドイツの始祖鳥で「アイヒシュテット標本」という化石を見ることができます。アジアとヨーロッパの「始祖鳥」が、1おくねんいじょうもあとの福井県ではじめて出会うということですね。
中国ではこのような恐竜時代の鳥類や羽毛がある恐竜の化石がたくさん見つかっていて、話題となっています。また、爬虫類や魚類、昆虫、植物など、おおくの大切な化石をこの特別展でみることができます。
この特別展では、おおくの実物化石を見ることができます。いつもは図鑑など写真でしか見ることができない化石をじっくりと見てみましょう。よこから、ななめからでもよいですよ。あなたなりの発見があるかもしれませんね。
また、鳥が誕生した時代のヨーロッパやアジアのようすをジオラマによって再現します。「鳥の楽園」とはどんな世界だったのでしょうか。もちろん恐竜骨格も見られますよ。
さらに、特別展示室の出口あたりで「世界のミュージアムグッズ」というもよおしをする予定です。博物館ではそれぞれにアイデアのつまった、きれいな・たのしい・つかいやすい・もっているだけでワクワクするグッズをつくっています。それらをあつめて紹介し、販売もします。こちらも期待していてください。
始祖鳥は100ねんほど前にヨーロッパで見つかってからは、ずっと見つかっていませんでした。ですから鳥はヨーロッパで進化したと考えられていました。ところが1990年代に中国の遼寧省で恐竜時代の鳥類である孔子鳥や、羽毛のある小型獣脚類中華竜鳥など、おおくの化石が発見されだしました。中国でも恐竜から鳥へと進化がおこったのでしょうか。
この証拠であるかのように、2004年には始祖鳥類、つまり始祖鳥のなかまである華美金鳳鳥が発見されました。華美金鳳鳥は、骨や羽のようすがとてもよく見えるだけでなく、おなかにはなんと卵があるというとてもめずらしく大切な化石です。ヨーロッパの始祖鳥とくらべるなどして研究され、いつか鳥の進化があきらかになっていくことでしょう。
この華美金鳳鳥はこの特別展で、世界ではじめて一般公開されます。「進化生物学で21世紀いちばん大事な発見」といわれる化石を見ることができます。
始祖鳥、これはつまり鳥の先祖の化石です。1861ねん、ドイツ南部のゾルンホーフェンというところではじめて発見されました。この場所は湖の底のようなところにしずかにたまった地層で、化石となった動物はこまかいところまで よくのこっています。1おくねんいじょうも昔の生物なのに、とてもおどろくべきことです。
前足やしっぽには、羽のあとがクッキリとのこっていて、鳥の先祖だということがわかります。しかし体の骨をみると、小型獣脚類コンプソグナトゥスにたいへんよくにていました。ここから鳥は恐竜から進化したのではないかと、いわれはじめました。始祖鳥は生物の進化をかんがえるのにとても大切な化石なのです。
とても大切なので教科書にもかならずのっていますし、みなさん1回は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。こんなに有名な始祖鳥ですが、じつは世界でたった8体しか見つかっていないのです。とても大切ですよね。この特別展で、ドイツのジュラ博物館から「アイヒシュテット標本」という始祖鳥を、特別にかしてもらえることになりました。実物を見ることができるまたとないチャンスです。