発掘調査レポート2015スタートです!

第四次の発掘現場(2015年)
第四次の発掘現場(2015年)

こんにちは。千秋です。

福井恐竜発掘調査レポート2015。今年もはじめさせていただきたいと思います。

第四次恐竜化石発掘調査の3年目となる2015年度調査が7月27日、スタートしました。今年の調査予定は9月5日までの36日間。日曜日を除く毎日、発掘を行います。谷あいの発掘現場に重機やハンマーの音が今年も響きます。今年は夏休み開始から多くの方に博物館や野外恐竜博物館にお越しいただいており、発掘レポートの方は置き去りにしてしまいました。申し訳ありません。今日からしっかりとレポートしてまいります。

発掘最前線での掘削作業
発掘最前線での掘削作業
岩版の表面を確認する。
岩版の表面を確認する。

さて3年目の発掘調査ですが、現場川下側の崖を昨年に引き続き掘り下げつつ作業しています。昨年最後に竜脚類や獣脚類などの足跡化石面が発見されましたが、骨化石を見つけるにはそれを剥がしてさらに下へと掘り進めなくてはなりません。確保できるものは確保して、面を壊します。とはいえまだまだ足跡化石が出る見込みがあるので、重機でヒビを入れては剥がし、岩の裏を確認してから次の岩にヒビを入れる、と言った繰り返しをしています。

今日見つかった小型鳥脚類の足跡
今日見つかった小型鳥脚類の足跡

昨年の面の高さはほぼ除去され、さらに下へと調査は進んでいるようです。たくさんの足跡がついた面はさすがにないようですが、いくつかの足跡化石が見つかっていました。

写真は小型鳥脚類の足跡です。下部中央がかかと側。そこから右上に向かって3本の指が確認できると思います。中指の先には前足跡とおぼしき丸いふくらみが見えます。凸型の写真を掲載しましたが、相方の凹型もちゃんとありましたよ。地層をもう少し下げると、また違った足跡層が出てくるとのことで、楽しみです。

ハンマー隊のようす
ハンマー隊のようす

ではハンマー隊のようすです。学生さん達が徐々に集まっているようですね。前線の方は足跡化石をやっていてまだ今年の岩石が回ってこず、昨年の残りの岩でしのいでいるとのこと。前線が本格的に稼働する来週に向けて、だんだんと人が増えていくのでしょうね。叩いている岩の感じはまさに野外恐竜博物館の体験でのものと同じで、泥岩から砂岩系の暗灰色の岩です。ここにいると、差はやはり割る岩の量と集中度だと感じますね。人数がまだ少ないのもあると思いますが、まさに「黙々と」という表現がぴったりです。

ハンマー隊
ハンマー隊
ハンマー隊
ハンマー隊

さて昨年の残りの岩とは言え、ぼちぼちと化石は見つかっているようです。発掘初日にあったNHKの全国中継の時には竜脚類の歯が見つかったと放映されてしまいましたし、その後も歯や骨化石が出ているとのこと。ハンマー隊の隊員が増えてくればもっと出てきそうですね。今日も小さな骨化石やカメ化石などが発見リストに書かれていました。また硬鱗魚のウロコ化石がわりとたくさん出ているとのこと。隊員たちの脇には、あとでまとめて記録しようというようなウロコや貝化石がいくつもおいてありました。

硬鱗魚のウロコの化石
硬鱗魚のウロコの化石
カメの甲らの化石
カメの甲らの化石

歯の化石
歯の化石
貝化石が見えている岩
貝化石が見えている岩

さて、8月に入りようやく本格化してきました。足跡化石の地層の調査が終われば、フクイサウルスやラプトルが出たボーンベッドの層準が来るはずです。ぜひ追加の標本が出てくることを期待したいです。

(千秋利弘)

© 2015 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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