こんにちは。千秋です。
本日も発掘現場に行くことができましたので、レポートをしていきます。
今年も非常に暑い夏となりまして、発掘現場も炎天下、発掘隊員たちも汗だくになりながら作業をしています。現場に撮影に行く私も噴き出る汗に参ってしまっています。隊員たちは本当にご苦労さまです。毎日いい天気ながらも、たまに通り雨がパラつくこともあります。時には多少降ってもらえると、気温が下がったり、岩が洗われたりとありがたいのですが。
さて、前線では嬉しいことに、大割りしてその割り面に骨化石を発見という傾向がまだ続いているようです。こうなると化石の確認・保護・取り出しと個々の化石に時間がとられて調査がなかなか進まないという、他方では困った事態でもあるのです。時間も予算も限られているのでじっくりとできないのは辛いところです。
前線の「戦利品」の中に、大きめの炭化物がありました。ここ北谷の発掘現場では、植物化石が炭化した状態で発見されます。植物化石は数が多く、この炭化物も植物由来のものだと考えられます。ただ、形が不定形であり炭化物の純度も高いので、植物そのものではなく松ヤニなどの樹脂か動物由来の炭化物であるタールとも考えられます。小さなかたまりであればよく見つかりますが、ここまで大きいものは珍しいですね。何か解明に役立つと良いのですが。
前線の掘削箇所には、地層と地層の境目が不整合で見えていました。下の地層がたまった後にいったん川の流れなどで削られ、新たに上の地層がたまったものです。削られ方は一様ではないので、他の地層のように「水平」ではなく、面もまったいらではありません。写真ではその面を出して確認をしていますね。
さてハンマー隊のようすです。前線の作業スピードが速くないとは言っても、ハンマー隊用の岩石は重機で順次送られてきます。重機のオペレーターさんは、バケットを巧みに動かして岩を3〜4個ずつ作業場に運んでいって、採取された場所ごとに分けて置いていきます。ハンマー隊の隊員たちはこの場所を区別して、化石を探していきます。現場の場所には番号が割り振ってあって、化石が見付かった時にはその番号とセットで記録します。産出化石と現場の場所との関係のデータはのちのち役に立つことでしょう。
ではハンマー隊の化石を見ていきましょう。まず見せてもらったのがこの円盤状という不思議な形をした骨化石です。平らな面はざらざらしています。太い骨の一部分ということも考えられますが、折れた面にはちょっと見えません。関節面だとも考えられます。周囲には見たところ折れたような跡がありません。非常に興味深いですね…っと、推測はせめてクリーニングが終わってからにしますね。また楽しみがひとつ増えました。もうひとつ目をひいたのがこの二枚貝シュードヒリア。デカいです。昔見たドブガイが思い出されます。現場では貝化石が多量に発見されていますが、ここまで大きなものはさすがに珍しいですね。
といったところで今回のレポートはここまでとさせていただきます。ではでは。