■タイ国恐竜発掘調査レポート 第1号

発掘調査隊メンバー(クリックで拡大)

2007年11月2日から、日本・タイ共同恐竜発掘調査が始まりました。この調査事業は、福井県立恐竜博物館とタイ国珪化木鉱物資源博物館(ナコーン・ラチャシーマ・ラジャブハット大学)との共同調査計画です。2007年の発掘調査地点は、ナコーン・ラチャシーマ県ナコーン・ラチャシーマ市スラナリ地区で、この地点の周辺には中生代白亜紀前期の陸生層が分布しています。

日本からは、福井県立恐竜博物館の東 洋一(副館長)、野田芳和(主任研究員)、寺田和雄(研究員)、柴田正輝(研究職員)らが、タイ国珪化木鉱物資源博物館からはプラトゥエン・ジンタサクル館長、ナリラット・ブンチャイ研究員、ジャルーン・ドゥアンクラヨン研究員、ユパ・ザソッド研究員らが参加しています。調査は、同年12月下旬までの予定で実施されます。

発掘現場の様子(クリックで拡大)

11月1日に先発班として寺田と柴田が日本を出発し、11月2日から発掘現場での調査準備を開始しました。まず11月3日から発掘現場になるトウモロコシ畑の伐採を行い、4日からは重機を使って表土を取り除く作業を始めました。地表から約20cmの表土を取り除くと、下からは恐竜化石を含んだ中生代の地層が現れます。

表面に見える恐竜化石(クリックで拡大)

11月6日に後発班の東と野田が日本を出発し、7日に現地入りし先発班と合流しました。発掘現場では準備が終了しており、地表に現れた地層の表面にはすでに幾つかの恐竜化石を見ることができました。まだ種類はわかりませんが、恐竜の四肢の骨と思われるものが幾つか現れていました。さらに、肉食恐竜の歯や種類はわかりませんが背骨の骨などもすでに発見されています。

四肢のものと思われる恐竜化石(クリックで拡大)

発掘調査は、福井県立恐竜博物館とタイ国珪化木鉱物資源博物館の研究員などと現地の作業員14名で進められています。11月7日には、日本人で現在中国吉林大学大学院に留学中の関谷 透 氏が応援に駆けつけて調査に参加しています。現地は現在"冬"の季節で、日中はやや暑い感がしますが、朝夕はかなり肌寒く感じられます。この発掘レポートはこの後、随時公開してゆくつもりです。

(東 洋一)