こんにちは。千秋です。
迷走していた台風5号が昨日ようやく北上して、現場に雨をもたらしました。珍しく福井県をかすめていった台風でした。台風一過で今日は曇り空。涼しいといえば涼しいのですが、湿度はかなり高く、しかも足元はドロドロ。作業環境は良くはありません。そんな発掘現場の様子をレポートしていきましょう。
ハンマー隊の作業場所では、学生さんたちががんばってハンマーを振るったり、岩を観察したりしています。人数もだいぶ増えてきたようです。
さてハンマー隊の様子ですが、みなさん何やら集まっていますね。みんなが覗き込んでいたのが、この化石。中央に白いペイントマーカーで囲まれた円の中(雨で白マーカーがにじんで見えにくいでしょうか)。ここに化石が埋まっているのが分かりますでしょうか。手前の右側と中央には右下へと流れる稜が、奥のはしっこには黒い突起のようなもの並んでいるようです。草食の恐竜の歯、端的に言ってしまえばイグアノドン類の歯のようにも見えます。しかも見た目2〜3cmもの大きなもの。クリーニングの結果が楽しみです。
さて前線のようすです。どうやら地面を大きく掘りこんで、地層の状況を確認しているようですね。今日は前線作業は小休止のようです。写真の左側に見える崖部分。これは昨年に出したいわゆるボーンベッドの層準、またはその直下の層準と思われます。掘削して出てきた崖面を洗って、地層を観察し、特徴を記録しているようです。
ここ、北谷町の発掘現場の地層は斜めに傾いていて、同じ層準をたどっても、川上側の崖に近いところは深く、川下で崖から離れた川べり側は高くなっています。写真のポイントはその最も高い場所にあたります。今まで調査できなかった下の層準、新たなボーンベッドが発見できるでしょうか。
右奥の少し離れたところに集まっている人たちがいます。福井県立大学の学生さんたちで、今日は集中講義の実習だそうです。彼らも一緒に調査しました。実地で本格的に恐竜化石の発掘ができるなんて、いい経験になります。お昼頃からは晴れてきましたとのことで、良かったです。
といったところで今回のレポートはここまでとさせていただきます。ではでは。