こんにちは。千秋です。
今日の発掘現場は、くもり。現場に行くと涼しい風が吹いてきて、あのジリジリした日差しはどこへ行ったのだろうと不思議でたまりません。ともあれ、作業するにはもってこいの状況です。
では今日も、発掘現場の様子をレポートしていきましょう。
さて、今日は前線が稼働していますね。前回のレポートの時とは、ボーンベッドをさらに露出させるべく岩盤の取り外しが進んでいるようです。
重機で岩に亀裂を入れて、ブロック状に外し、表面に化石が顔をのぞかせていないかを確認する。野外恐竜博物館で一般の方が体験している作業と、規模こそ違えど、同じことをしているといえます。もっともこちらでは見逃し厳禁なので、さらに真剣さの度合いも違いますが。それに応えてか、大小さまざまの、もちろん恐竜化石を含む化石が発見されているようです。いくつかの化石が発見されるのを見れましたし、重要の【重】とマーキングされた鳥脚類指骨などと書かれた梱包済みの岩が化石箱にあるのを見ることもできました。
今日調べている岩は、まだボーンベッド直上の層だとのことですが、そこまで頻繁ではないにせよ化石発見があるようです。週末〜来週にかけて行うであろうボーンベッド調査、楽しみです。
また川岸側、ボーンベッド層の下にあたると思われる地層面が大きく剥き出しになっていますね。このなめらかな地層面。どうやら足跡化石が発見されたようです。一見してそれっぽい形はなく、丸いくぼみがいくつかあるだけに見えます。話を聞くとあまりいい足跡ではないとのことです。足跡はジャストの面でないと全然分からないですからね。記録した後、この面を剥いでいくのだと思いますが、より良い面に当たるといいですね。
さて、ハンマー隊の様子です。前線と違って全身水浸しになることもなく、心地いい風も吹いて、くもりとはいえ明るさも十分で今日はいい状況です。
隊員たちも静かにやる気十分という感じで、ときおりダッと立ちあがり石を持って研究員に判断を仰ぎに行っています。時には「ハズレ」のこともありますが、そうした繰り返しが彼らを一人前にするのでしょう。記録用のテントの下にはすでに化石箱が何箱も積み上がっています。骨化石ではないこともあったりしますが、いくつか【重】とマーキングされたものもあり、日々成果は上がっているようです。
ところで、恐竜博物館の1階エントランスには化石クリーニングの様子がのぞける窓があります。エントランス側の作業台には今日も「北谷発掘の化石をクリーニング中」の札が掲げられていますが、こうした【重】マークのものが優先的に作業されていて、中には奇妙な形の化石を取り出していたりもします。子細こそ不明ですが、発表前どころか研究員さえまだ全容を見ていない化石です。発掘調査の一端に触れたい方は、こういった方法もありますので、ぜひご見学ください。
といったところで今回のレポートはここまでとさせていただきます。ではでは。