こんにちは。千秋です。
福井恐竜発掘調査レポート2017。今年もはじめさせていただきたいと思います。
2017年度調査が7月31日からスタートします。今年の調査予定は9月9日までの35日間。日曜日を除く毎日、発掘を行う予定です。第四次恐竜化石発掘調査も5年目となりました。昨年は後半から骨化石が大量に発見され始めました。いわゆる「ボーンベッド」にようやくたどりついたようです。そこで当初の計画から1年延長して今年度も調査をすることになりました。
では、現場レポートをはじめる前に、昨年までの成果を振り返ってみましょう。
恐竜博物館は2017年3月13日に昨年度の第四次発掘成果発表を行いました。昨年調査もこれまでに引き続き南側の斜面を上から順に地層を調査していきました。昨年前半は、一昨年からの続きで足跡面の調査を行っていましたが、後半にはいわゆる「ボーンベッド」にたどりついたようで、多くの骨化石が発見され始めました。
昨年は脊椎動物化石で計3,386点という例年をかなり上回る標本が発見されました。うちカメ類が1,079点で最も多く、恐竜化石は116点です。特に今回はイグアノドン類の骨が多く発見できました。これまでに発見されている部位や、未発見だった部位の骨も産出していて、フクイサウルスの復元がより実体に近づくものと思われます。ただもちろん、これらがフクイサウルスの骨かどうかは今後の研究が必要です。また、獣脚類の下あごの骨の一部である上角骨や、竜脚類の後ろ足の甲の骨の一部である中足骨も発見されています。これらもフクイラプトルやフクイティタンでは発見されていなかった部位で、やはり今後の研究に大きな意味を持つものと思われます。
昨年にやりかけただけのボーンベッドでこの調子だったのですから、今年の発掘調査は昨年を上回る成果大いに期待ができますね!
調査レポートは随時お届けする予定です。現場のナマの様子をお届けするようがんばりますね。また、野外恐竜博物館へお越しくだされば、調査の様子を直接ご覧になることができますよ。ぜひどうぞ!