ハンマー隊は奮闘中

8月18日金曜日の発掘現場
8月18日金曜日の発掘現場

こんにちは。千秋です。

ようやくお盆が終わりました。8月11日の山の日が金曜日だったこともあり、分散型だったように感じます。とはいえ、朝の開館前には入館列ができたり、公園内・周辺での渋滞があったりと毎年恒例の状況ではありました。対策を行って、徐々に緩和されていると思うのですがいかがでしょう。そうした対応もひと段落して、ようやく発掘現場に行けましたので、さっそく様子をレポートしていきましょう。

ボーンベッドの下の地層
ボーンベッドの下の地層

さて前線の様子です。

先日掘りこんでいた前線手前の穴ですが、底までの地層の状況が良く見えます。地層の上下方向の確認はとりあえずできたようですね。今年の発掘調査はともかく、将来にわたって調査を継続していく時に、どのぐらい発見できそうか少しでも目途が付けられた方が良いですから。

ともあれ、今日も前線作業は小休止のようです。確認すると、先日からのボーンベッドの岩から化石がたくさん見つかっているために、ハンマー隊の確認作業が追いつかないので、一時ストップさせているのだとか。どれだけの数が出ているのですか!今年だけでこれまでの第四次調査を上回る数が出ていそうな勢いとでも言うのでしょうか。これはますます成果発表が楽しみになってきました。もっとも、前線ストップは重機のオペレーターさんにお盆休みを取ってもらう良い口実という面もありそうですが。

ハンマー隊の様子1
ハンマー隊の様子1
ハンマー隊の様子2
ハンマー隊の様子2

さてハンマー隊の様子です。

前線から少し離れた平らな場所に前線からの岩を置いて隊員たちが作業をしています。各々適度に離れた好きな場所に陣取っています。ハンマーとタガネで岩を割る者、岩の表面をなめるように観察する者、割れた相方の破片を探す者、見やすくするため表面のホコリや泥を洗い落とす者。また、発見した化石をリストに記録する者、化石に保護の樹脂を塗る者、綿をあてて梱包する者などなど、色々な作業を行っています。

一応テントがあって、化石箱や梱包資材、飲み物などが置かれていて、下に入れば日陰にはなるのですが、誰もそこでは発掘作業をしません。狭いということもありますが、第一には日なたでないと化石の判別が難しいという理由があります。岩から顔をのぞかせた物体Xが化石なのか石なのか、近くにいる研究員に聞けばほぼ分かりますが、自分である程度判別できるようにならないと発掘隊員の名折れです。形がある、怪しい。色はどうか、どこまでが形なのか。判別には日光の明るさが必要です。その分、直射日光に耐えねばなりません。大変です。適時休憩と水分をとるよう、指示はありますが。がんばっていただきたいものです。

三角柱状の骨化石
三角柱状の骨化石
岩についた二枚貝
岩についた二枚貝

化石箱の中にはたくさんの「骨」が
化石箱の中にはたくさんの「骨」が
発掘は観察が大事です
発掘は観察が大事です

「卵の化石」?
「卵の化石」?

撮影をしていると「ほら、これ」といって見せていただいたのが、「卵の化石(?)」です。手の大きさからもお分かりの通り、かなり小さくて薄い板状のものです。軽くカーブがかかっていますが、復元すると球になるとしてもやはり小さなものですね。貝化石というオチもあるかも知れません。卵の化石だとすると、殻の特徴で判別可能ですので、顕微鏡で見られればすぐに結果が分かると思われます。その他にもいくつか見つかっているんだということを研究員が言っていましたので、成果発表がとっても楽しみですね。

といったところで今回のレポートはここまでとさせていただきます。ではでは。

(千秋利弘)

© 2017 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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