■発掘レポート2

11月初旬から始まった今年のタイ王国での恐竜発掘調査は強い日差しの中順調に進められています。例年のように、現場から切り出した大きな岩塊を、大きなハンマーで荒く割り、さらにハンマーで小さく石を割り化石を見つける作業が毎日行われています。12月に入り、大きな肉食恐竜の歯が次第に多く見つかるようになってきました。それに伴って、顎に歯のついたものも見つかりました。その近くからは、クリーニングをしてみないとわかりませんが、肉食恐竜の頭と考えられる比較的大きな骨も見つかりました。変わったものではウンコの化石ですが、中に骨の欠片や鱗が見えます。このような化石が見つかると、疲れ気味の日本やタイの調査員や作業員に活気が蘇ってきます。

見つかった大きな肉食恐竜の歯
骨の欠片や鱗を含むウンコの化石

トウモロコシの収穫風景

発掘現場の周辺は、トウモロコシやキャッサバの畑が一面広がっています。現在、その収穫期に入り近隣の農民が集まり収穫作業を行う光景をみるようになってきました。作業は手作業で、おそらく近所か親類の人たちが協力しあって作業をしているのだなと想像しています。ふと、30年ほど以前の日本の秋の田園風景を思い出してしまいます。

国道脇に点在する恐竜公園

タイの言葉で、恐竜のことを「ダイノサウ」と呼んでいます。ここタイでも恐竜は強い人気を集めています。休みの日に恐竜のTシャツを着て近くの町に買い物に行ったおり、Tシャツの絵を見て人が寄ってきたこともあります。国道の脇には大きな恐竜公園(駐車場を兼ねている)が作られている所も複数あります。また、道路の脇や町の中に恐竜のモニュメントをたびたび見ることができます。タイの人々の恐竜好きの現れと思います。ドライブの途中に恐竜をみてふと立ち寄る人たちを見ていると、福井にもこのような所があると良いのになとの思いが強くなります。

最後になりますが、発掘現場の近くにはピンクの蓮の花が咲き誇っています。また、そこの近くには鳥も集まってきて発掘の疲れを癒してくれます。

発掘現場近くに咲くピンクの蓮の花
近くの池に訪れる白い鳥

(東 洋一)