■撤収 ~強者どもの夢のあと~

「最後にこの岩を割るのだ!」

年も押し迫り、日本での雪の便りも届きました。タイでは、まだ暑い日が続いています。50日以上にわたる今回の発掘調査も終わりに近づき、発掘現場では残り少ない発掘期間を惜しむかのように、『もうひとついい化石を』とばかり、懸命にハンマーを振るっています。

翌日、発掘現場の埋戻し作業が行なわれました。重機が発掘された跡に土砂をかけ、整地しています。割り残された岩石は、トラックで博物館へ運ばれ、今後割って化石を取り出す作業が行なわれます。さて、埋戻し作業も終わったようです。さながら『強者どもの夢のあと』ですね。

博物館の収蔵庫では、発掘した化石の整理が進んでいます。これらの一部は日本に送られ、福井県立恐竜博物館でクリーニングや研究の後、タイに返還されます。今後、恐竜博物館の特別展等で借用・展示を行なっていきたいと考えています。

「まだ何かあるかもしれない…」
重機による埋戻し作業

割り残った岩石をユニック車で運びます
埋戻し(2)

整地も一応終わりました
強者どもの夢のあと

発掘した化石を整理しています。
収蔵庫で発掘された化石を守るハナコ

(野田芳和)