ゆるやかにカーブした骨化石

発掘最前線は丘の上
発掘最前線は丘の上

こんにちは。千秋です。

発掘がはじまって連日35℃超えの酷暑となっている北谷町の発掘現場です。ジリジリと陽が照りつけているとはいえ、適度に風が吹いてくれるおかげで何とか発掘ができている現状です。また夕立が降ることもあり、こちらも気温を下げるのに役立っています。

さて、丘の上に人や重機が集まっています。今年の発掘最前線はこの丘の上のようです。第四次で調査を進めてきたこの崖面、その下流側最後の岩のかたまりを、下へ下へと崩していきます。いま掘削をしている地層は層準的にコシサウルス産出層よりも上とのことで、週末から週明けに掛けて産出層に達することになりますね。何か成果が得られるでしょうか?楽しみです。

前線の研究員たち
前線の研究員たち
ゆるやかにカーブした骨化石
ゆるやかにカーブした骨化石

前線の丘の上に登ってきました。高低差があってちょっと怖いです。前線では数名の研究員たちが発掘作業をしています。重機に掘削を指示したり、割られた岩の面を確認したり、岩の面を水で洗い流したり。あるいは地層面を確認するためにジョレンで石くずを掻き出したりと分担して作業を行っています。

行った時にはちょうど地層面に骨化石を発見したところで、取り出し作業をしていました。取り出した骨化石を見せてもらいましたが、濡れていて周りの岩との色の区別がつきにくいですね。しかし形はゆるやかにカーブした3〜4cm程度の太めの骨で、骨端部分も残されているとのこと。前線の作業の中、よく発見できたものです。

人数が淋しいハンマー隊
人数が淋しいハンマー隊
小さなワニの歯を発見
小さなワニの歯を発見

私は今日もハンマー隊です。一昨年までだと全国の地学系の学生さんが来て、わいわいとなごやかな雰囲気の中ハンマー隊作業を行うのですが、今はコロナ禍の状況を鑑みて学生さんを呼ぶことができません。またお互いも2m以上距離をとるため会話もままなりません。例年に比べ何となく淋しいハンマー隊です。

とはいえ作業自体は変わるところ無く行います。今日担当した石は“アタリ”の石だったのか、ワニの歯化石や骨化石などを見つけることができました。前回の石に比べて炭化した植物化石や貝化石が豊富に含まれていたので、それが良かったのだと思います。次も“アタリ”の石を引き当てて、標本登録をバンバンしたいものです。

といったところで今回のレポートはここまでとさせていただきます。ではでは。

(千秋利弘)
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