| 2018年9月3日 |
はじめまして、研究職員の静谷です。
私は今年度から博物館で働き始めた新人職員で、恐竜発掘調査も今回が初挑戦です。もともとは化石が見つかりにくい場所の研究をしていたので、化石がたくさん入った「にぎやか」な岩石には感動しきりです。
さて、台風直前の9月3日、掘削が進む前線付近にテントが現れました。テントの中ではノートパソコンに繋いだ機器を手に持って岩の上にかざしています。いったい何をしていると思われるでしょうか?
実はこの場所、重機の掘削で露出した、足跡の化石がたくさん付いている地層面「足跡化石面」なのです。持っている機器は3Dスキャナーで、これを使って足跡化石のかたちを3次元データとして立体的に記録しています。スキャナーのレーザー光が太陽光の影響を受けないよう、日光を遮るテントの下で行われます。
足跡などのいわゆる生痕化石には、それを残した生きものの生態の情報が隠されているので、かたちを精密に計測することがたいへん重要になります。からだ(ホネ)の化石はもちろん、このような足跡化石も大事な発掘成果です。
発掘調査もいよいよ終盤となってきました。台風や残暑で思うように作業できない日もありますが、発掘隊のがんばりで毎日続々と新しい化石が発見されています。どうぞ最後までご期待ください!