恐竜・古生物 Q&A

なぜ「恐竜」という呼び名なの?

「恐竜」という名前は、「DINOSAURIA」という動物グループの名前を日本語に訳したものです。1841年時点のイギリスでは、イグアノドン、ヒラエオサウルス、メガロサウルスと3種類の絶滅した大型爬虫類 はちゅうるい が過去に存在していたことが知られていました。イギリスの有名な解剖学者であり、古生物学者でもあるリチャード・オーウェンは、それらの動物がこれまで知られているどの動物ともまったく異なったものであることから、1842年に新しい生物のグループ「DINOSAURIA」を作りました。これは、ギリシャ語の「deinos sauros」に由来し、「恐ろしいほどに大きい」という意味の「deinos」と、「トカゲ」を意味する「sauros」を合わせて作られた言葉です。

1895年、古生物学者の横山又次郎が著した「化石学教科書(中巻)」の中で、はじめてDINOSAURIAが「恐龍」と日本語訳されました。これは「deinos」を「恐ろしい」と訳し、大型の爬虫類=龍のイメージで「恐龍」としたようですので、「恐ろしいほどに大きいトカゲ」というDINOSAURIA本来の意味とは若干異なる訳し方でした。その後も「恐蜥」「恐蜴」(いずれも蜥蜴 とかげ から)などの用語が提案されていましたが、最終的に「恐龍」が定着し、字体も簡単になった現在の「恐竜」が広まりました。

リチャード・オーウェン(Richard Owen, 1804-1892)

リチャード・オーウェン(Richard Owen, 1804-1892)

(2020/12/22更新)

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