恐竜・古生物 Q&A
恐竜がなにを食べていたのかわかるの?
恐竜に限らず、絶滅した動物の食性を知るのには多くの手がかりがあります。特に爬虫類 や哺乳類 の化石には、硬く化石になりやすい歯が残されていることが多く、様々な形のものが知られています。絶滅した動物の歯の形は、その動物が主に肉食性なのか、草食性なのかを教えてくれます。
多くの場合、肉食性の動物では単純な円錐 形や、ナイフのように平たく尖がった形をしており、獲物に噛みつくのに適しています。また、歯のふちには「鋸歯 」といわれる細かいギザギザなどの装飾があるものが知られており、肉を切り裂くのに役立ったと考えられています。
草食性の動物には、植物を食べるために起きてしまう歯のすり減らしに対抗するために、長く伸びた歯や、歯に複雑な突起 を持つものなどがあります。また、植物の葉を引きちぎったり、摘み取ったりするのに適した歯も知られています。
歯以外では、爪もその動物がどのような食性に適応していたのか知る手がかりになります。獲物を捕らえるのに適したカギ爪は肉食動物に見られる特徴ですし、草食動物では広がって平らなものや、ひづめ状になる傾向があります。
また胃があった付近に食べたものの化石が発見された例がよく知られています。こうした胃の内容物の化石であれば、その動物が何を食べていたのか良くわかります。
では、糞 の化石はどうでしょう?いくつかの恐竜や哺乳類の糞の化石が知られ、その中に食べられた動物の骨片が発見されているものがあります。これは、落とし主の食性を示す重要な証拠になりますが、その糞がどの恐竜のものか、ということはよくわかっていません。
左から肉食恐竜アロサウルス、草食恐竜カマラサウルス、草食恐竜ハドロサウルスの頭骨。アロサウルスは肉を切り裂くのに適したナイフ状の歯、カマラサウルスは植物を摘み取るスプーンのような歯、ハドロサウルスは葉を切り刻む先が菱形になった歯とくちばしをもっています。同じ草食恐竜でもカマラサウルスは植物をまる飲みにするタイプ、ハドロサウルスは口の中で小さくしてから飲みこむタイプなので、歯や顎の形は違っています