恐竜・古生物 Q&A

ティラノサウルス・レックスの小さい腕はなにに使うの?

大きな体に対して非常に小さいティラノサウルスの腕ですが、その作りはとても丈夫であったことがわかっています。コンピューター上でティラノサウルスの骨格を再現した研究では、座った状態のティラノサウルスは、人間と同じように腕を地面について上半身を支え、立ち上がるための補助として使ったのではないかと考えられました。この説を支持する証拠として、ティラノサウルスの腕や肩の骨、胸のあたりにある叉骨 さこつ を調べてみると、ケガの あと やケガが治った跡が多くの個体で見つかっています。これらの跡は、ティラノサウルスが日常生活の中でひんぱんに腕を使っていたことや、ケガをするような強い力が腕にかかっていたことを示しています。特に、大きな体をもつものや年老いたものなどは、立ち上がる際に腕をケガしやすかったかもしれません。

これ以外にも、交尾の際にオスがメスを押さえつけるのに役に立ったという説や、獲物を押さえつけるために使っていたという説もあります。

ティラノサウルス・レックス

ティラノサウルス・レックス

(2020/12/22更新)

福井県立恐竜博物館
所在地:
〒911-8601 
福井県勝山市村岡町寺尾51-11
かつやま恐竜の森内
TEL:0779-88-0001(代表)
TEL:0779-88-0892(団体受付)

©2000 - Fukui Prefectural Dinosaur Museum.