恐竜・古生物 Q&A

恐竜の体重はどうやってわかるの?

全身の骨がそろって見つかった恐竜の場合、CTスキャナやコンピューターを使って、体重を見積もる方法があります。復元した恐竜の骨格に、現在の近い生き物を参考にして筋肉や内臓といった化石に残らない部分を復元し、そこから生きていた時の体重を推測します。その結果、数種類の獣脚類 じゅうきゃくるい と“カモノハシ竜”のなかまの体重が推測されました。同じ方法でダチョウの体重を見積もると、実際の体重と非常に近い値になったため、この方法はそれなりに正確ではないかと考えられます。

全身の骨がそろって見つかっていない恐竜の場合、例えば太ももの骨などの太さ(断面積)からその恐竜の体重を考える方法もあります。しかし、この方法では足の骨が支えられる体重の限界までしかわかりません。また、四足歩行の恐竜では、前後の足にかかる体重のバランスがはっきりわからないという問題点があります。

また、昔から行われている方法として、模型を水に入れるという調べ方があります。恐竜のミニチュア復元模型を水の中に沈めて、あふれた水の量から模型の体積を求めます。これに実際の恐竜の大きさを掛けて本当の体積を求め、さらに現在の近い生き物の体の密度を参考に体重を計算します。しかし、この方法ではひとつひとつの内臓や筋肉をその恐竜に合わせて計算していないため、求められる体重は大ざっぱな値になってしまうと考えられます。

模型を水に入れて推定する方法の模式図。

模型を水に入れて推定する方法の模式図。できるだけ正確な恐竜のミニチュアの復元模型を作って水に沈め、溢れた水の量を測って、その模型の体積を求めます。そして、実際の大きさに換算して体積を求め、それに比重を掛けて体重を推定します。

(2020/12/22更新)

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