恐竜・古生物 Q&A

恐竜絶滅の原因として、最も有力と考えられている仮説とは?

隕石衝突説が現在のところ最も有力です。

恐竜絶滅の時期にあたる中生代の白亜紀と新生代の古第三紀との境界(K-Pg境界)でたまった地層には、ほかの地層では見られない特徴がいくつか発見されています。例えば、地表には少量しか存在しないイリジウムという元素が多いこと、高い圧力がないとできない石英の粒や微小ダイアモンドが見られること、普通には見られないアミノ酸などが存在すること、などです。これらの存在は、隕石の衝突を示す証拠といえます。実際に、現在のメキシコのユカタン半島では、K-Pg境界の頃にできた巨大なクレーターの痕跡 こんせき が見つかっています。

大きい隕石が衝突すると、大量の ちり が発生し、それが大気中に漂うことで太陽光線がさえぎられて、地球上が寒冷化し、これに適応できない生き物が死に絶えます。また、太陽光線が地表に届かなくなることで、光合成をする植物が減ってしまいます。植物が激減すると、植物を食べる草食恐竜が死に、今度はそれを食べる肉食恐竜が死に、というように食物連鎖の階段を登るように次々と恐竜が死んでいったと考えられています。

さらに、現在のインドのデカン高原にあたる場所で、この頃に大規模な噴火活動があったこともわかりました。これによる環境の変化が、恐竜などの絶滅に追い打ちをかけたのではないかと考えられています。

恐竜類はこの時にほとんどが絶滅してしまいましたが、恐竜の1グループである鳥類は生き延びて今も繁栄を続けています。

他にもアンモナイトなど白亜紀末で絶滅した生物は多く、絶滅した種と生き延びた種の違いがどこにあったのかについては、研究が続いています。

白亜紀と古第三紀の境目(K-Pg境界)の地層標本

白亜紀と古第三紀の境目(K-Pg境界)の地層標本

(2020/12/22更新)

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