恐竜および鳥類の足跡化石の発見について

2008年8月28日

福井県福井市(旧美山地域)に分布する中生代手取層群から、獣脚類および鳥脚類の足跡と竜脚類と思われる恐竜の足跡の3つの違った種類の恐竜の足跡化石と1つの鳥類の足跡化石が発見された。この地域からは、これまで恐竜や鳥類の足跡化石発見の報告はなく、今回が初めての発見である。

発見の経緯

2007年(平成19年)4月28日、地質調査や教材資料収集のため福井市美山町の足羽川河川敷を調査中の若狭町立瓜生小学校の島田正樹教諭(45歳)によって恐竜の足跡と思われる化石が発見された。その後、島田教諭から鑑定の依頼により県立恐竜博物館が鑑定した結果、獣脚類の足跡化石であることが確認された。

県立恐竜博物館では2007年の9月と10月に現地確認等を行い足跡化石産出箇所の確認をするとともに地質学的調査を行った。また、島田教諭も最初の発見である獣脚類足跡化石の発見後も数回の現地周辺の調査や標本の採集を行い、さらに鳥脚類の足跡化石と竜脚類のものと思われる足跡化石が発見された。

発見場所

発見場所は福井市美山町を流れる足羽川河床で、福井市美山町から朝谷町に架かるみやま橋の下流30m~160mまでの地点である。発見当時、足羽川では河川改修工事が行われており、河床から掘り出された岩石が河川敷に数多く点在しており、その中で発見された。

恐竜足跡化石発見場所の写真
足跡化石が発見された「みやま橋」下流発見現場の当時の様子(平成19年5月撮影)

発見された足跡化石

鳥類の足跡化石

鳥類の足跡化石の写真

発見された足跡は、長さ38mm、幅53mmで細い第Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ指の三本の指が保存されている。第Ⅱと第Ⅳ指がなす角度は81度でやや狭い。細長い指ややや広い指間角の特徴から鳥類の足跡と考えられる。

中生代鳥類の足跡化石は、これまでに福井県大野市(旧和泉村)や勝山市から発見されており、県内では3例目の発見である。

獣脚類の足跡化石

獣脚類の足跡化石の写真

発見された足跡は、第Ⅲ指と第Ⅳ指が保存されたものと考えられ、不完全な足跡である。しかし、肉球が識別できるもので、長さが69mmの小型獣脚類の右足のものと考えられる。

竜脚類のものと思われる足跡化石

竜脚類の足跡化石の写真

竜脚類だと考えられる足跡は幅約30cmの大型恐竜の足跡の一部である。足跡化石は不完全なため、長さははっきりしない。この他に、竜脚類だと考えられる足跡が工事中の露頭面からも発見されている。

鳥脚類の足跡化石

鳥脚類の足跡化石の写真

発見された足跡は、指の幅が太いもので凸型の足印である。長さが199mmm、幅が151mmである。足底部も明瞭に保存されており、典型的なイグアノドン類の足跡であると考えられる。福井県大野市や石川県白山市で発見されているものと類似している。

【まとめ】

福井県内では勝山市、大野市(旧和泉村)に次ぎ、福井市で恐竜足跡化石の産出が確認された。これまでは勝山市と大野市から恐竜化石が数多く見つかっているが、それ以外の地域から発見が報告されたことはなかった。今回、福井市美山地域において恐竜足跡化石が発見されたことで、福井県内の手取層群が分布するより広い範囲に恐竜が生存していたことが明らかとなった。

1箇所から3種類(鳥脚類、獣脚類、竜脚類)もの恐竜の足跡化石と鳥類の足跡化石が見つかっている場所は、全国でもめずらしく福井県勝山市、富山県富山市に次いで今回の発見は3箇所目となる。また、中生代ジュラ紀から白亜紀前期にかけての地層から産出する鳥類や恐竜の足跡化石としては、国内から産出する場所は少なく、地層から判断して日本最古級のものでもあり学術的に貴重なものと考えられる。

福井県立恐竜博物館
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