福井産の原始鳥類に学名が付けられました

2019年11月15日

第四次恐竜化石発掘調査において、国内最古となる鳥類全身骨格化石が発見されました(2015年1月5日発表)。

福井県立大学恐竜学研究所と福井県立恐竜博物館及び中国科学院古脊椎動物古人類学研究所の共同研究の結果、この化石が前期白亜紀の鳥類としては最も原始的な新属新種の鳥類であることが判明し、「Fukuipteryx prima(フクイプテリクス・プリマ)」としてこのたび学名が認められました。

発表の概要

雑誌名
コミュニケーションズ・バイオロジー(ネイチャー・パブリッシング・グループ)
論文名
An unusual bird (Theropoda, Avialae) from the Early Cretaceous of Japan suggests complex evolutionary history of basal birds
(特異な前期白亜紀の日本産鳥類(獣脚亜目鳥翼類)によって示唆される、基盤的鳥類における複雑な進化の歴史)
著者
今井拓哉・東 洋一・河部壮一郎・柴田正輝・宮田和周・王敏・周忠和
学名
Fukuipteryx prima gen. et sp. nov.
掲載日
2019年11月14日㈭(オンライン)

化石について

学名
Fukuipteryx prima
(日本語表記 フクイプテリクス・プリマ)
名前の意味:原始的な福井の翼。pteryx=翼、prima=原始的な。
分類
獣脚亜目 鳥翼類
時代
白亜紀前期 (約1億2000万年前)
地層
手取層群赤岩亜層群北谷層
発見場所
勝山市北谷町 恐竜化石発掘現場
発見日
2013年8月
特徴と意義
フクイプテリクスには、他の化石鳥類に見られない、上腕骨近位端の凹みや、神経棘の名残が見られる特徴的な尾端骨(癒合し、短く棒状になった尾)などが存在し、新属新種と認められました。また現生鳥類と同じく尾端骨を備える一方、四肢には鳥類の祖先である羽毛恐竜と共通する点が数多く見られるなど、鳥類としては極めて原始的な形態が見られました。さらに、骨組織の研究により、発見された化石は一歳未満で、成熟しつつある若い個体だと判明しました。フクイプテリクスと他の化石鳥類の系統関係を検討したところ、フクイプテリクスが前期白亜紀の鳥類としては最も原始的であることが明らかになりました。本研究によって、中国東北部以外の地域に未知の非常に原始的な鳥類のグループが存在していたことがわかり、これまで中国産化石のみに基づいて議論されてきた鳥類の進化や生態に、日本産の新種の化石鳥類が一石を投じることとなりました。さらに、フクイプテリクスが河川性堆積物である北谷層から発見されたことは、前期白亜紀の河川域にも非常に原始的な鳥類が生息していたことを示しており、当時、鳥類がすでに幅広い環境に適応できていたという証拠になります。

図1.
                    フクイプテリクスの骨格産状とその模式図。

図1. フクイプテリクスの骨格産状とその模式図。

図2.
                    各図の正方体の1辺は1cm。フクイプテリクス生体復元図制作:吉田雅則(神戸芸術工科大学)。

図2. 各図の正方体の1辺は1cm。フクイプテリクス生体復元図制作:吉田雅則(神戸芸術工科大学)。

図3.
                    フクイプテリクスが前期白亜紀の鳥類では最も原始的なことがわかる。フクイプテリクス生体復元図制作:吉田雅則(神戸芸術工科大学)。鳥類シルエット:Wang et al. (2018)を改変。

図3. フクイプテリクスが前期白亜紀の鳥類では最も原始的なことがわかる。
フクイプテリクス生体復元図制作:吉田雅則(神戸芸術工科大学)。鳥類シルエット:Wang et al. (2018)を改変。

その他

学術雑誌「コミュニケーションズ・バイオロジー(Communications Biology)」

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