国内最大級の恐竜(大型草食恐竜)の肋骨化石について

2020年2月27日

福井県立恐竜博物館と天草市立御所浦白亜紀資料館の共同調査研究により、熊本県天草市御所浦島から発見された約1億年前の恐竜化石が大型竜脚類(草食)の肋骨と判明しました。

また、2月28日㈮から、天草市立御所浦白亜紀資料館で実物化石と復元された肋骨を、福井県立恐竜博物館では複製化石と復元の肋骨を展示します。

発見された化石

分類
恐竜類 竜盤類 竜脚類
部位
右肋骨の近位部(背骨との関節部を伴う部位)、1点
大きさ
長さ42cm×幅18cm×厚さ9cm/復元された肋骨:長さ1.4m
標本番号
GCM-VP568(天草市立御所浦白亜紀資料館所蔵)

研究の経緯

1999年4月の天草市立御所浦白亜紀資料館の調査で、御所浦島南側の採石場(通称:白亜紀の壁)に露出する御所浦層群(ごしょうらそうぐん)の烏帽子層(約1億年前)から恐竜の骨の化石がまとまって発見されました。そのうちの一点は当初、鳥脚類の上腕骨と考えられていましたが、平成25年度からの共同研究による化石クリーニングと鑑定の結果、化石は竜脚類の右肋骨の一部と判明しました(昨年11月、中国北京市の国際古生物学会でも発表)。

学術的意義

展示する化石は「竜脚類」と呼ばれる、長い首と尾をもち四足歩行の大型草食恐竜の肋骨です。日本では、古い時代のものは徳島県勝浦市(約1億3000万年前)から歯の化石が、新しい時代のものは熊本県天草市と鹿児島県薩摩川内市(約8000万年前)から歯の化石が報告されています。日本の化石産地では多くの場合、歯の化石のみで知られる恐竜ですが、体の骨は岩手県(上腕骨)、福井県(上腕骨、大腿骨、脊椎骨など)、兵庫県(脳函、肋骨、尾椎など)、三重県(上腕骨、大腿骨など)、福岡県(頸椎)の5カ所から知られています。肋骨については断片的なものが兵庫県でのみ知られていました。

今回の資料は白亜紀の中頃(約1億年前)である御所浦層群から初めて産出した竜脚類の化石であり、九州では、福岡県の関門層群(白亜紀前期:約1億3000万年前)に次ぐ古い竜脚類の化石です。また体の大きさを推定できる資料としても注目されます。近縁の竜脚類の骨格を参考にすると、全身の長さは約15mと推定され、九州では最大の恐竜と考えられます。今回の資料は九州で多様な恐竜が白亜紀を通じて生息し続けていたことを示す資料としても重要です。

学会発表

第一回アジア古生物学大会〔開催期間:2019年11月17日㈰〜19日㈫〕

日時
2019年11月19日㈫午後9時45分〜10時(口頭発表)
場所
中国北京市 中国科技会堂
演題
A new sauropod remain from Kyushu Island, western Japan
(訳)日本西部、九州から産出した新たな竜脚類化石
発表者
関谷 透(福井県立恐竜博物館 研究員)
宮田 和周(福井県立恐竜博物館 主任研究員)
黒須 弘美(天草市立御所浦白亜紀資料館 主査(学芸員))
廣瀬 浩司(天草市立御所浦白亜紀資料館 参事(学芸員))
鵜飼 宏明(天草市立御所浦白亜紀資料館 主任(学芸員))

一般公開

実物化石と復元された肋骨

日時
2月28日㈮〜
場所
天草市立御所浦白亜紀資料館

化石の複製と復元された肋骨

日時
2月28日㈮〜
場所
福井県立恐竜博物館1階クリーニング室脇

図1. 恐竜化石産出地(★印)

図1. 恐竜化石産出地(★印)
画像提供:天草市立御所浦白亜紀資料館

図2. 化石発掘現場(発見当時の様子)

図2. 化石発掘現場(発見当時の様子)
画像提供:天草市立御所浦白亜紀資料館

図3. 発見された肋骨の化石

図3. 発見された肋骨の化石
画像提供:天草市立御所浦白亜紀資料館

図4. 復元された肋骨

図4. 復元された肋骨
画像提供:天草市立御所浦白亜紀資料館

図5. 発見された部位

図5. 発見された部位
(参考骨格図:白亜紀前期の中国の竜脚類、エウヘロプス)

図6. 参考復元画

図6. 参考復元画
(白亜紀前期の中国の竜脚類、エウヘロプス)

図7. 九州の恐竜化石の多様性

図7. 九州の恐竜化石の多様性

図8. 日本の竜脚類化石産地

図8. 日本の竜脚類化石産地


福井県立恐竜博物館
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〒911-8601
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