徳島県勝浦町から発見された日本最古級のトカゲ類化石について
2026年7月1日
福井県立大学が徳島県立博物館や福井県立恐竜博物館などと共同で行っている徳島県勝浦町の恐竜化石含有層発掘調査で、トカゲ類の化石を新たに発見しました。
発見された化石は小さく繊細で、化石を岩石から取り出すクリーニング作業が困難であったため、福井県工業技術センターにてX線CT撮影を行いました。3Dデータを用いた研究を進めたところ、この化石はトカゲ類の下あごの骨であることが判明しました。この発見については、2026年6月26日(金)から同年6月28日(日)まで大阪公立大学で開催された日本古生物学会2026年年会にて、徳島県立博物館および福井県立恐竜博物館との共同による発表を行いました。
資料についての情報
- ⑴ 分類
- 有鱗類(トカゲ類)
- ⑵ 部位
- 左歯骨(下あごを構成する骨)
- ⑶ 大きさ
- 約 1.1cm
- ⑷ 産出地
- 徳島県勝浦町 恐竜化石発掘現場(非公開)
- ⑸ 地層名
- 物部川層群立川層
- ⑹ 時代
- 前期白亜紀(約1億3000万年前)
- ⑺ 発見日
- 2023年5月27日(土)
- ⑻ 化石の特徴
- 歯が、あごの骨の内側面につく側生歯になっている。
- 骨の後方部が欠けているが、歯の生えている部分より後ろはややくびれており、無歯領域(歯をもたない部分)が存在する。
- 残されている歯は6本だが、おそらく全部で10本の歯が生えていたとみられる。
- 歯は先の尖った円錐形に近く、一部の歯では小さい2つ目の咬頭(尖った先端)を持つ。

発見されたトカゲ類化石の左の下あご(左歯骨)

3次元再構築モデル(上:内側、下:外側)
他の化石種との比較
後方部に無歯領域を持つ下あごは、トカゲ類の中でもパキゲニス・タラステサ(中国・山東省)、パキゲニス・アダチイ(兵庫県)、ハクセプス・インベリス(石川県)などに見られる。
歯の数では、勝浦町のトカゲ類化石はおそらく10本であるが、これはパキゲニス(9本)とは異なり、ハクセプス(10本)と一致する。また、一部の歯に2つの咬頭があるという特徴は、ハクセプスに見られるが、無歯領域の弱いくびれはパキゲニスの特徴に近い。このように骨の特徴の組み合わせが異なっていることから、これらとは異なる種である可能性が高い。

勝浦町のトカゲ類化石の特徴(内側から見た図)
発見の意義
- トカゲ類化石としては日本最古級(約1億3000万年前)である。
- 陸域に生息していたトカゲ類のグループとしては、太平洋側の地域(西南日本外帯)で初めての発見である。
※海に生息していたモササウルス類は、和歌山県から発見されている。 - 勝浦町のトカゲ類化石は、これまで知られていた種とは異なる種である可能性が高く、当時の日本およびアジアにおけるトカゲ類の多様性や進化史を明らかにする上で重要な発見である。
一般公開について
- 場所
- 徳島県立博物館 2階常設展 徳島恐竜コレクションコーナー 実物を展示
- 福井県立恐竜博物館 エントランスホール2階 拡大複製を展示
- 日時
- 徳島県立博物館 2026年7月1日(水)~2026年9月30日(水)
- 福井県立恐竜博物館 2026年7月1日(水)~2026年10月27日(火)

