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発表 2025/10/13 

追悼:リンチェン・バルスボルド博士(1935〜2025)

 当館の海外客員研究員であったリンチェン・バルスボルド博士が2025年8月28日に逝去されました。満89歳でした。バルスボルド博士はモンゴル・ウランバートルでお生まれになり、1953年からソ連・モスクワ国立大学で地質学・古生物学を学び、ソ連科学アカデミーから博士号を受け取られました。1961年からモンゴル国立大学の地質学の教授を務められ、1965年からモンゴル科学アカデミー研究所に勤務。1988年から地質研究所所長、1991年にはモンゴル科学アカデミーの院士に選出され、1997年から2014年まで古生物学センター所長を務められました。博士はモンゴルの古生物学の第一人者として、恐竜学、特に獣脚類恐竜に関する研究で顕著な功績を残され、その成果は世界的にも高く評価されています。

 

 当館とバルスボルド博士との関係は、1996年から1999年にかけて当館の前身である福井県立博物館(当時)が参画した中国・モンゴル・日本による3か国共同調査で、モンゴルの調査団長として、恐竜化石産地で発掘の陣頭指揮を取っていただきました。その縁もあり、当館の建設の当初よりご協力いただき、目玉展示であるタルボサウルスとサウロロフスの2つの全身骨格の復元・組み上げだけでなく、シチパチの抱卵化石やベロキラプトルとプロトケラトプスの格闘化石などモンゴルの恐竜化石の素晴らしい展示を実現することができ、2000年7月の当館の開館記念式典にもご臨席いただきました。さらには、当館が特別協力した恐竜展「恐竜大陸」(2007-2008年)では様々なモンゴルの恐竜化石を紹介され、2008年3月には当館で行われた国際恐竜シンポジウムで講演していただきました。

 

 改めてバルスボルド博士のご尽力と功績に心から深い敬意を込めて、謹んで哀悼の意を表します。

 

福井県立恐竜博物館

館長 谷川 由美子

福井県立恐竜博物館
所在地:
〒911-8601 
福井県勝山市村岡町寺尾51-11
かつやま恐竜の森内
TEL:0779-88-0001(代表)
TEL:0779-88-0892(団体受付)

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