追悼
2024年10月20日、董枝明教授(Prof. Dong Zhiming)がご逝去されました。ここに深く哀悼の意を表します。
当館と董教授との関りは、当館の前身である福井県立博物館の頃にまでさかのぼります。董教授は、中国を中心としたアジア各地の発掘現場での豊富なご経験と、さまざまな分類の恐竜を研究された実績に基づき、福井県における恐竜化石発掘調査に惜しみない援助をくださいました。恐竜博物館が建設される際の基本構想の段階でも貴重なご提言をくださり、当館の存在にとって不可欠と言って良いほどの大きな貢献をしてくださいました。開館後は海外客員研究員として、発掘調査や学術研究において、引き続き当館の活動に多大なご支援をくださいました。
董教授は恐竜をきっかけとして広範な人々の交流が深まることを切に願っておられました。今日まで続く、中国浙江自然博物院およびタイのコラート化石博物館などの海外研究機関と当館との共同発掘および研究事業は、董教授の仲立ちがなければ実現し得なかったものでありますし、2013年に設立されたアジア恐竜協会の発起人でもあります。
当館の今後の活動をご覧頂くことができないと思うと残念でなりません。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
恐竜博物館
館長
谷川由美子