福井県立恐竜博物館は本日、2010年度発掘成果について記者発表いたしました。
昨年2010年調査では、新たな足跡化石や脊椎動物化石を中心に約1,600点の化石を発見することができました。現在、それらのクリーニング作業中であり、詳細について調査中です。
この作業の中で、同一個体と思われるイグアノドン類の左右の下あごの化石を発見することができました。同じイグアノドン類であるフクイサウルスとはまた異なる特徴をもつため、新しい種であると考えられます。つまり恐竜時代の福井に異なるイグアノドン類がいたということで、当時の豊かな生態相がさらに明らかになったといえるでしょう。
また左右のあごが重なるように発見されています。これは発掘現場における骨化石の保存環境の良さを意味しています。同じ地層からは、大腿骨や腰の骨なども多数発見され、同じく保存状態は極めて良好です。あご以外の部分が、フクイサウルスのものなのか、それとも今回発見されたイグアノドン類のものなのかについては、今後の研究が待たれます。
今回発表したイグアノドン類の骨化石については、4月23日㈯から5月10日㈫までの間、一般公開します。展示場所は、恐竜博物館1階「福井の恐竜」コーナー(予定)です。