福井県勝山産の竜脚類の学名について

2010年6月8日

2007年に勝山市で発掘された竜脚類化石の論文の電子版が2010年6月7日に公開され、以下のとおり新属新種として学名が有効となりました。

博物館ニュース - フクイティタンという学名になりました(博物館ニュース)

学名

Fukuititan nipponensis (フクイティタン・ニッポネンシス)

学名の意味:日本産の福井巨人の意

発表雑誌

Acta Geologica Sinica (English Edition) Vol.84, No. 3, pp.454-462.
地質学報(英語版)第84巻第3号 454~462ページ

著者

東 洋一・柴田 正輝(福井県立恐竜博物館)

タイトル

Fukuititan nipponensis, a new titanosauriform from the Early Cretaceous Tetori Group of Fukui Prefecture, Japan
(フクイティタン・ニッポネンシス、福井県の白亜紀前期手取層群からの新しいティタノサウルス形類)

恐竜の特徴

フクイティタンは、ティタノサウルス形類の新しい一種で、細長く非対称の歯冠の頬側に弱い溝があり舌側に凹みが無く、頸椎に茎状の上突起があり、上腕骨の近位部の幅が長さの約32%、中手骨が長く橈骨(とうこつ)の約48%、坐骨の先端がやや広がっていることが他のティタノサウルス形類とは異なる特徴である。

発見された部位が比較的少ないため全長の推定は難しいが、カマラサウルスなどと比較すると全長10m 前後と推定される。また、分類学的位置についても発見部位が少ないため明確ではないが、中国遼寧省産のボレアロサウルスに尾椎の特徴が類似していること等原始的なティタノサウルス形類と思われる。

今回の発見は、我が国で最初に学名がつけられた竜脚類であり、またティタノサウルス形類のアジア地域における分布が従来の知見より広範囲にわたっていたことが明らかになった。

一般公開

フクイティタンの実物化石の一部について、次の期間限定で一般公開予定。

公開期間
2010年7月9日(金)
場所
恐竜博物館1階「日本とアジアの恐竜」コーナー

参考

2000年 フクイラプトル・キタダニエンシス (福井県) 獣脚類
2003年 フクイサウルス・テトリエンシス (福井県) 鳥脚類
2009年 アルバロフォサウルス・ヤマグチオラム (石川県) 角竜類

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