タイ恐竜発掘調査レポート2018

恐竜博物館はタイでの恐竜化石共同発掘調査を行いました。タイ王国珪化木鉱物資源東北調査研究所(タイ王立ナコーン・ラチャシーマ・ラジャバット大学付属)との共同発掘調査です。

熱い化石、出てきています!

連日暑い中発掘作業を進めておりますが、順調に熱い化石は発掘されてきております。

今回も面白いものがでてきました。

それはというと…魚の化石!

もしかしたら一匹まるまる残っているのでは!?と思わせるような、ウロコがきれいに並んだ状態で見つかったものです。それも一つではなく何点も!(写真1、2)

お昼ご飯ででてきた魚のように(写真3)頭が入っているのではないかと思わせる状態の良いものばかりで期待が持てます。

それ以外では、もちろん恐竜の骨化石も見つかっています!どういうものかというと、複雑な形をしていて、穴が開いていて…(写真4)などなどクリーニングが本当に楽しみです。

ところで今回の発掘では、先ほどの魚化石以外は、岩石のあちこちに、バラバラの状態で見つかるのがほとんどです。しかも恐竜、カメ、ワニと思われるものが一緒になって入ってきています。恐竜とかの骨化石は何でバラバラに??

その謎を解くヒントは周りの岩石に隠されています。では少し岩石を見てみましょう。

岩石の側面を見ると砂岩(砂粒でできた石)の層と礫岩(礫でできた石:砂より粒が大きく肉眼でもはっきりみえますが、赤丸以外の部分も礫でできています)の層があるのが分かります(写真5)。

発掘現場で見られるのは主に礫岩の地層です。その間に砂岩の層が挟まってくるといった感じです。側面から見るととても分かりづらいですが、大ハンマーでぱっくり割ってやると。

中におおきな礫が散らばっているのがみえますか?それと一緒に骨が入っています(写真6)。

簡単に言えば粒の大きなものがたまるところは川の流れが早く(粒が小さく軽いものは流されていってしまう)、粒が小さいものがたまるのは少し流れが弱い。だから恐竜の骨は強い流れでバラバラになって流されてたまったのか。でもまてよ?魚の化石も礫岩の層に入っているじゃないか。じゃあ魚はなんで強い流れでバラバラになっていないの?それは今後私が研究で詳しく解明していきます。もう少し待っていてください!

魚化石(ウロコがバラバラにならずきれいに並んでいる)
写真1:魚化石(ウロコがバラバラにならずきれいに並んでいる)
魚化石(これもウロコがきれいに並んでいる)
写真2:魚化石(これもウロコがきれいに並んでいる)
お昼ご飯の魚(重機のオペレーターさんがくれたもので、そこらへんのため池で釣ったものを揚げたそうで…化石がよみがえったのかも!?)
写真3:お昼ご飯の魚(重機のオペレーターさんがくれたもので、そこらへんのため池で釣ったものを揚げたそうで…化石がよみがえったのかも!?)
恐竜の骨化石(複雑な形をしており、穴が開いている部分も見えます)
写真4:恐竜の骨化石(複雑な形をしており、穴が開いている部分も見えます)
礫岩の層と砂岩の層
写真5:礫岩の層と砂岩の層
礫岩の層に見られる骨化石
写真6:礫岩の層に見られる骨化石

執筆:湯川 弘一

2018年度の発掘が始まりました。

今年もタイでの共同発掘調査が始まりました。2018年11月19日から12月21日までの予定です。ナコーン・ラチャシーマ・ラジャバット大学付属珪化木鉱物資源東北調査研究所との共同調査ですが、途中、福井県立恐竜博物館が姉妹提携を結んでいるシリントーン博物館の発掘現場を訪問する予定です。日本(福井)からは5名が参加、後から1名が合流の予定です。

発掘現場は、一昨年、昨年に引き続き、ナコーン・ラチャシーマ県(コラート)ムアン・ナコーン・ラチャシーマ郡クロック・ドゥアン・ハ村です。発掘する地層は、福井県勝山市北谷の発掘現場とほぼ同じ時代の、白亜紀前期のコク・クルアト層です。

今年のタイの気候は、いつものように暑いのですが、例年に比べて雲が多く感じます。本来乾期の11月~12月にも近年雨も降るようになっており、異常気象なのかな?という感じです。

さて、発掘作業は順調に始まり、前線、大ハンマー隊、小ハンマー隊、レジスター、すべて順調に動いています。化石もたくさん出ており、恐竜、ワニ、カメ、魚のウロコなど、重要なものも見つかっています。

暑い中での発掘調査ですが、もっと熱い化石が見つかることを期待して、頑張りたいと思います。

発掘の安全を願って
発掘の安全を願って
今年の発掘現場です。
今年の発掘現場です。
大ハンマー隊と小ハンマー隊(後ろ)
大ハンマー隊と小ハンマー隊(後ろ)
肉食恐竜の歯が出ました
肉食恐竜の歯が出ました

執筆:野田 芳和

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