福井県立恐竜博物館は本日、獣脚類の上顎骨発見について記者発表いたしました。
前年度3月に行った調査報告において、小型獣脚類の骨化石が密集した状態で発見されたことを発表いたしましたが、その同じブロックにおいてクリーニングをすすめたところ、新たに上顎骨(頭骨の一部)の化石が発見されました。
発見された位置関係などから今回発見の上顎骨とこれまでに確認されている仙椎や趾骨などは同一個体のものと考えられます。今回発見された上顎骨は、歯が4本保存されたほぼ完全なものであり、我が国初の発見です。
また、この小型獣脚類の特徴から、ドロマエオサウルス類、特に中国遼寧省で発見されているシノルニトサウルスに近縁と考えられます。シノルニトサウルスは羽毛恐竜であることから、この小型獣脚類も羽毛を持っていたものと考えらえます。
今回発見された上顎骨(頭骨の一部)、仙椎、肋骨、趾骨などの実物化石と、小型獣脚類骨化石の産出状況のレプリカを、8月1日㈮から8月31日㈰までの期間限定で一般公開いたします。展示場所は恐竜博物館1階「日本各地の恐竜化石」コーナーです。