前線とハンマー隊

こんにちは。千秋です。福井恐竜発掘調査レポート2013、それでは始めさせていただきたいと思います。

今週は天候に恵まれ、ゆっくり着実に発掘作業を進めることができたようです。発掘では、化石を含む地層を掘り出している場所を「前線」、その岩をハンマーで割る人たちを「ハンマー隊」と呼んでいます。まずは前線の作業のようすを見てみましょう。

重機が岩を割ります。巨大な削岩機のようです。この岩、少し当てただけでもろく割れていきますね。さ、割った岩に化石が見えていないか、丹念に確認です。化石と岩の色はほとんど同じで、慣れないと見分けが困難です。表面の泥を落としつつ、目を皿のようにして探します。そうして発見した化石がこちら。これはカメの甲ら。こちらは骨化石ですが。形に特徴がありますね。この先が岩の中に続いています。

その他の石をジョレンでかき集め、掘削した面を確認します。ところで地層をご覧ください。斜めになっています。左奥下から右上、という面に沿って地層が堆積しています。

ではハンマー隊はというと。崖の下、平らになった場所で作業をしています。前線では化石が表面に見えているか確認しています。こちらでは岩を割って中に入っていないかを確認します。割って割って、だいたい握りこぶしほどまで小さくします。炎天下の現場で石割り。とても大変です。今のところ大物は出ていませんが、貝などはよく出てきます。おや、カメですね。大きいです。きれいに残っていますね。

作業では手頃なサイズのハンマーやげんのう、タガネを使いますが、大きい岩にはビッグハンマーも使っています。

割り終わった石を重機がさらいます。前線の一区画ずつ作業しますので、混ざらないようにということです。前線は狭いですが、区画で微妙に化石の出具合が変わるそうです。次の区画に希望を託しつつ、今日の発掘レポート、終わりにしたいと思います。ではでは。

(千秋利弘)

© 2013 Fukui Prefectural Dinosaur Museum.
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