先週9月14日をもちまして、第四次調査1年目の調査が終わりました。お盆の頃にはうるさいほど鳴いていたミンミンゼミの声は、すっかりヒグラシに取って代わられています。調査員の先生方や調査補助員として参加してくださった学生さん達、関係する業者の皆様、その他多くのご助力いただいた方々に、まずはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
前線は、発掘前の状態から山の斜面を最終的に20数m掘り下げました。第三次調査でフクイティタンを産出した地層の直下には厚い砂岩層があって、今年はこれを横方向にたどった延長線上と思われるあたりまで到達しました。明瞭なボーンベッド(骨化石が多産する地層)こそ見つけられなかったものの、不連続ながら骨や貝の化石が密集している部分が幾箇所も見つかり、採集した岩石がクリーニングされるのが待ち遠しいです。また、特定の種類の貝ばかりが多産する地層や、魚のウロコが密集して産出する部分があり、これと堆積相と合わせて解釈すると、当時の古環境について面白い見解が得られるのではないかと思います。
ハンマー隊の場所は、めぼしい岩を割り終えて、作業場やテントもきれいに片付けられました。原稿を執筆している時点までに集計した限りでは、サンプル数が2000点を越えています。重要と思われる化石も100点に迫る勢いで、やはりクリーニングの結果が楽しみです。
さて、私自身の事ですが、今年は初めて職員として現場を指揮する(より正確には、そのお手伝いをする、という方が適切かもしれませんが)こととなりました。三次調査の時はまだ学生で、調査補助員として参加していました。また、2~3週間程度と期間が短かったこともあり、当時は現場での作業のみに集中していたように思います。今年は職員として、学生募集のチラシ作りから始まり、発掘開始前の掘削時から何度も現場を見に行ったり、道具や設備の準備を手伝ったりしました。発掘が正式にスタートしてからは主に前線での作業を担当していましたが、ハンマー隊の進み具合や、消耗品の残数管理、現場を訪れる館行事の日程などなど、いろいろなことを考えながら進めなければいけないということを思い知った次第です。今年の経験を活かして、来年はより効率的に、より多くの成果を挙げられればと思っています。