福井産の小型獣脚類恐竜に学名が付けられました

2016年2月26日

第三次恐竜化石発掘調査(2007年〜2010年)では、フクイティタンや小型の獣脚類の全身骨格などの新発見が相次いで報告されました(2007年7月、10月、2008年3月発表)。この小型の獣脚類は当初ドロマエオサウルス類と推定されていましたが、研究を進めた結果、原始的なコエルロサウルス類マニラプトル形類の新属新種「Fukuivenator paradoxus(フクイベナートル・パラドクサス)」としてこのたび学名が認められました。

発表の概要

雑誌名
サイエンティフィック レポート(ネイチャー・パブリッシング・グループ)
論文名
A bizarre theropod from the Early Cretaceous of Japan highlighting mosaic evolution among coelurosaurians
(コエルロサウルス類のモザイク進化を際立たせる、日本の白亜紀前期から発見された奇妙な獣脚類)
著者
東洋一、徐星、柴田正輝、河部壮一郎、宮田和周、今井拓哉
学名
Fukuivenator paradoxus gen. et sp. nov.(逆説の福井の狩人の意)
掲載日
2016年2月23日㈫(オンライン)

化石について

学名
Fukuivenator paradoxus
(日本語表記 フクイベナートル・パラドクサス)
名前の意味:属名は Fukui(福井)と venator (ラテン語で狩人の意味)、種小名はこの恐竜の骨の特徴が意外な組み合わせから由来。)
分類
獣脚下目 コエルロサウルス類 マニラプトル形類
時代
白亜紀前期 (約1億2000万年前)
地層
手取層群赤岩亜層群北谷層
発見場所
勝山市北谷町 恐竜化石発掘現場
発見日
2007年8月
恐竜図鑑
フクイベナートル・パラドクサス

その他

これまでの日本の恐竜

福井県
(勝山市)
フクイラプトル・キタダニエンシス(2000年)
フクイサウルス・テトリエンシス(2003年)
フクイティタン・ニッポネンシス(2010年)
コシサウルス・カツヤマ(2015年)
石川県
(白山市)
アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム(2009年)
兵庫県
(丹波市)
タンバティタニス・アミキティアエ(2014年)

学術雑誌「サイエンティフィック・レポート(Scientific Reports)」

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