■今年の発掘日誌、はじめます

千秋です。こんにちは。

千秋学芸員の恐竜発掘日誌、今年も始めさせていただきます。第3次調査4年目の2010年度、では早速スタートです。

では今年もまず、昨年発掘終了から今までを振り返っておきましょう。昨年9月からは、発掘で発見した化石をクリーニング(取り出す作業)をやはりずっと行っています。

年が明けて今年3月19日には、2009年度成果発表として報告を行っています。この報告の目玉は2007年度に発見した小型獣脚類の全身骨格の復元ですね。毎年報告がありましたが、丹念にクリーニングをしてきた成果がようやく形になりましたね。それにしても全身の約7割がそろっているとのことで、本当に第1級の資料ですね。すばらしい!もちろん復元にあたり研究も行っていて、ドロマエオサウルス類であること、年内に学名の記載論文を出すことを明らかにしました。ドロマエオサウルス類…ということは当然、羽毛を持っていたということで、同時に作成された復元模型にはちゃんと毛が生えています。

他の化石としては、フクイサウルスの右の下あご、獣脚類の歯や手足の骨、竜脚類の歯や、卵化石などがあります。一部は昨年の日誌でもお伝えしましたね。あと、昨年は足跡面の調査も行っていました。

おっと、そうそう。福井産の竜脚類に学名がつきました。その名も「フクイティタン・ニッポネンシス」。日本産の福井巨人という意味です。発見部位こそ少ないものの、新種の決め手には十分だったようです。いや、でも追加標本が欲しいところですが。

では現場のようすを写真で…って、もう地層面が出ているじゃないですか。お、足跡――。雨です。俗にいうゲリラ豪雨でしょうか?明日からは晴れマーク続きですが…。

さ、泣いても笑っても本年度発掘で第3次調査は終了。悔いを残さないよう全力投球でいきましょう!もちろん発掘日誌もがんばります。皆様からの発掘隊員たちへの熱い応援メッセージ、お待ちしております。では、今日はこの辺で。ではでは。