■今年の発掘日誌、はじめます

千秋です。こんにちは。

千秋学芸員の恐竜発掘日誌。今年もはじめさせていただきたいと思います。第3次調査の3年目となる2009年度、では早速スタートです。

では今年もまず、昨年発掘終了から今までを振り返っておきましょう。昨年9月からは発掘で発見した化石をクリーニング(取り出す作業)をずっと行っています。

そして10月30日には2008年発掘の中間報告を行っています。数多く発見された化石の中から、重要な標本を。ひとつは「赤ちゃんイグアノドン類」のアゴの発見。フクイサウルスの可能性はありますが、現段階で結論は出ていません。ほぼ完全な標本で、研究の成果が待たれます。

ふたつ目は、2007年から引き続きの竜脚類の追加標本です。背骨がふたつ。もちろん竜脚類のですから、双方ともひと抱えほどの大きさがあります。

三つ目は足跡化石群です。これについては、昨年の発掘日誌で時々お知らせしていましたが。足跡からは恐竜の動きなどの生態がわかるという貴重な資料です。

また、今年3月には2008年度成果発表として報告を行っています。この時は2007年発見した小型獣脚類の化石についてのさらなる進展として、脳函の発見と、後ろ足の復元が報告されました。

脳函は、脳みそが入るべき場所の骨です。これを調べることによって、恐竜の活動のようすが解明できるかも知れない貴重な発見です。

この小型獣脚類については、結局全身の6割、右脚では9割の骨がそろうことになりました。これだけあれば全身骨格復元も間近ですが、手始めに右脚のみ復元を行って、先に公開を行っています。この恐竜も同種のものと同じように、羽毛におおわれていたのでしょうね。こちらも成果が待ち遠しいですね。

最後は現場のようすを見ながらお別れです。今年も発掘日誌、がんばりたいと思います。発掘隊員たちへの熱い応援メッセージ、お待ちしております。では今日はこの辺で。ではでは。